楳図かずおを、見て、知って、楽しむ。天才漫画家を追った、初めてのドキュメンタリー映画。

トレードマークは、赤白ボーダーと“グワシ”のポーズ。そのイメージは、楽しくて、思わず微笑んでしまう、愛されキャラ。漫画だけにとどまらず、音楽活動やタレントとしても活動する天才漫画家・楳図かずお・・・実は、そのプライベートな姿はあまり知られていない。


本作の監督を手掛けた伊藤弘二は「楳図かずお公式サイト」を運営するスタッフのひとり。伊藤曰く、“楳図さんのプライベートな生活や普段の様子は、もっと面白く、楽しい!”そうだ。 楳図かずおのいる所には笑いが絶えない。いつも周りの人たちを楽しませ、幸せにしてくれる。“あまり知らない楳図さんを映画に撮ってみたい!その姿を日本中の楳図ファンに届けたい!”という想いから、3年前から撮影がスタート。膨大に撮られたテープには、作詞・作曲・振付を手掛けた“まことちゃんダンス”を猛練習する真剣な表情や、日課である五ヶ国語を練習しているリラックスした姿、そしてゼロから設計した“楳図ハウス”に住みたい、という自分の夢のために奔走する“アーティスト”としての姿が写し出される。


人並みはずれた好奇心と実行力は、とても73歳という年齢を感じさせない。どこまでもオリジナリティにこだわり、生き方そのものがクリティブ。そして、生き方だけでなく、普段生活する“住居”までもアート作品に仕上げ、その中で暮らそうとする漫画家なんて、古今東西聞いたことがなく、世界中探しても存在しないのではないか。


また、指関節の痛みのため現在漫画の執筆を休んでいる彼が、イラストを仕上げてゆく貴重な映像や、“楳図ハウス”にカメラが入り、奇想天外な設計やキャラクターのオブジェの撮影にも成功。そして、ブックデザイナーの祖父江慎、編集家の竹熊健太郎など、縁のある関係者たちが楳図漫画の魅力について語る。


1955年にデビューして以来『まことちゃん』『漂流教室』など多くの名作・傑作を生みだし、ギャグや恐怖で日本中を驚かしてきた天才漫画家・楳図かずおを、見て、知って、そして楽しめる映画が、ついに公開される。